💡 この記事の3行まとめ

  1. Figmaで文字が選択できない原因は1つではなく、アウトライン化(ベクター化)・画像化・コンポーネントのインスタンスという3つの状態に分かれます。対処が違うので、まず種類の見分けから始めます。
  2. 3タイプのどれも「文字データを取り出す」方向では手数が増えます。画面に描画された結果を読む方向に切り替えると、同じ手順がすべてに使えます。
  3. Mac専用OCR翻訳『Zipp』は⌃Sで囲むだけ、0.3秒、Apple Visionの端末内処理で画面画像の外部保存ゼロ。無料でダウンロード(登録不要)、1日15回までです。

📌 この記事の対象読者

  • Figmaでラベルをクリックしても選択できず、コピーを諦めている方
  • 海外製のUIキットやデザインシステムを読み解く必要があるデザイナー
  • FigmaからIllustratorへ書き出して文字を拾う手順に疲れてきた方

「選択できない」は、1つの症状で3つの原因がある

Figmaで海外製の画面を開き、ボタンのラベルを訳そうとして文字をダブルクリックする。反応がない。ドラッグしても、テキストの編集枠ではなく矩形の選択枠が出るだけ。仕方なくスクリーンショットを撮り、翻訳サービスに貼り付ける。この往復が1画面の中で何度も発生します。

ここで「Figmaの不具合では」と疑う方がいますが、原因は仕様です。そして文字が選択できない状態には、少なくとも3つの種類があります。

1つ目は、アウトライン化(ベクター化)です。 文字がパスに変換され、レイヤーパネルではVectorやGroupという名前になります。配布側がフォントの未インストールによる表示崩れを避けるために行う処理で、変換後の文字は文字ではなく図形です。元に戻す操作はありません。

2つ目は、画像化です。 画面のスクリーンショットや、書き出したPNGがそのまま配置されているケースです。レイヤー名はImage。拡大すると輪郭がぼやけます。これも文字データではありません。

3つ目は、コンポーネントのインスタンスです。 デザインシステムのボタンやインプットを配置すると、内部のテキストはライブラリ側の定義に従います。メインコンポーネントを編集する権限がなければ、ラベルの文言には触れません。選択枠は出るのに、中身が動かないという状態です。

厄介なのは、この3つが見た目ではほとんど区別できない点です。どれも「クリックしても文字が選べない」という同じ症状になります。しかし対処は別々で、しかも2つ目と3つ目は、原因が分かったところで自分の手元では直せません。他人のファイルを開いて仕様を確認している場面では、直せないことがほとんどです。

だから「なぜ選択できないのか」を延々と調べるより、3タイプを見分けて、共通の入口に切り替えるほうが早く終わります。3タイプに共通しているのは、画面には文字が描かれているという事実です。読めないのは文字データが存在しないからで、見えないからではありません。入口を「データ」に置くか「見た目」に置くか。この置き場所を変えるだけで、手数は別物になります。


解決策:見分けてから、タイプ別の限界を知り、最後は囲む

順番は3つです。見分ける、正攻法の限界を確認する、共通の入口に切り替える。最初から最後の手段に飛びつくと、後で「元データがあったのに」と気づいて二度手間になります。

手順1:レイヤーパネルと挙動で30秒で見分ける

まず左のレイヤーパネルを見ます。アイコンと名前でほぼ確定します。

  • T のアイコンとテキスト名 → 本物のテキストレイヤー。ロックがかかっているか、親フレームごとロックされているだけの可能性があります
  • Vector Group Path → アウトライン化
  • Image もしくはサムネイルが写真 → 画像化
  • 紫のひし形アイコン → コンポーネント、またはそのインスタンス

次に⌘Fで単語検索をかけます。ヒットすれば、その文言はテキストレイヤーとしてファイル内に存在します。見えている場所で選べないだけなら、ロックを外すか、奥のフレームを辿れば届きます。

最後に拡大して輪郭を見ます。いくら拡大してもエッジが滑らかならベクター、途中でカクついて粒が見え始めたら画像です。ここまでで迷うことはほとんどありません。

手順2:タイプ別の正攻法と、その限界を先に知る

見分けがついたら、それぞれの王道を確認します。ただし他人のファイルでは、この3つはほぼ通れません。その前提を持つことが大事です。

アウトライン化の場合。 配布元にアウトライン前のデータがあるか、Figmaのバージョン履歴にテキスト状態が残っていないかを確認します。自分のファイルならここで解決します。他人のキットでは望めません。IllustratorへSVGで書き出して分解する、という手順を思い浮かべる方もいますが、これは文字を取り戻す操作ではありません。パスを分割しているだけで、文字情報は戻りません。イラレに持っていく手順は、形を測るには有効でも、文言を読む目的では遠回りになります。

画像化の場合。 画像を書き出し、OCRにかけ、翻訳する。1枚なら数分で済みますが、画面をスクロールするたび、タブを切り替えるたびに繰り返すことになります。しかも書き出した画像は、どこかに保存されていきます。

インスタンスの場合。 メインコンポーネントの編集権限を得るか、インスタンスを解除して中身を直接編集します。ただし解除すると、以後ライブラリ側の更新を受け取れなくなります。他人のファイルでこれをやると、相手のデザインシステムを壊す行為になります。読むためだけの目的で触るべき操作ではありません。

手順3:⌃S で囲む。3タイプすべてに同じ手順が効く

ここで入口を切り替えます。文字データを取るのをやめて、画面に描画された結果を読みます。

  1. Figmaの画面を表示したまま⌃S(Control + S)を押します。Controlを押し下げたままSを押し、離すときはSが先です。⌘Sではありません。
  2. 読みたいラベルや注記を、マウスで矩形に囲みます。
  3. 0.3秒で、最前面に日本語訳が表示されます。元の画面は隠れません。

アウトライン化されていても、画像として貼られていても、インスタンスの内部でも、目の前に見えている形がそのまま読まれます。プラグインの追加も、ファイルへの権限付与も、レイヤーの変更も不要です。他人のファイルを開いたまま、閲覧権限だけで使えます。ここが実務では効きます。デザインシステムを預かって「読むだけ」の立場のとき、ファイルに一切触れずに中身を理解できるからです。

囲む単位は、目的で変えてください。ボタンの文言だけを確認したいなら、その1行だけを囲みます。この部品が何のためのものかを掴みたいなら、見出し・説明文・ボタンをまとめて囲みます。UIは要素が密なので、最初は1行、慣れたらカード単位、という順で広げると失敗が少なくて済みます。編集モードでもプレゼンモードでも、描画されていれば読める点も、確認だけの場面ではありがたいところです。


選択できない文字への対処 比較

【ベクター化された見出し】
従来:文字に戻せず、目視で読み写すしかない
Zipp:描画結果を読むため状態を問わない

【画像として貼られた画面】
従来:書き出してOCRにかけ、翻訳へ渡す往復が必要
Zipp:画面のまま囲むだけで完結

【コンポーネントのラベル】
従来:編集権限かインスタンス解除が必要
Zipp:権限不要。閲覧だけで読める

【Illustratorへの書き出し】
従来:SVG化しても文字情報は戻らない
Zipp:書き出し工程そのものが不要

【他人のファイルへの影響】
従来:レイヤー変更・解除で相手の資産を壊しうる
Zipp:ファイルに一切触れない

【外部への送信】
従来:画像や文言がクラウドOCR・翻訳へ渡る
Zipp:Apple Visionで端末内処理・画面画像の外部保存ゼロ


よくある質問(FAQ)

Q. アウトライン化された文字は、あとからコピーできますか? A. できません。パスに変換された時点で文字情報は失われており、FigmaにもIllustratorにも戻す機能はありません。読むためであれば、データを取り戻すのではなく、表示されている形を読み取る方向に切り替えてください。

Q. 画像として貼られた画面の中の文字も読めますか? A. 読めます。ただし解像度が低いと精度が落ちます。Figmaのズームを上げてから囲む、あるいは画像レイヤーを選択して拡大表示してから囲むと安定します。極端に小さい文字は、囲む範囲を狭くするほうが認識されやすくなります。

Q. コンポーネントのラベルが選択できないとき、解除してもいいですか? A. 自分のファイルなら問題ありませんが、他人のファイルやチームのライブラリでは解除しないでください。以後の更新を受け取れなくなり、復旧の作業が発生します。読むだけなら、⌃Sで囲むほうが安全です。

Q. Illustratorに書き出せば、文字として扱えますか? A. アウトライン化された状態で書き出すと、イラレ側でもパスのままです。テキストとして復活させることはできません。イラレに持ち込むのは、形や余白を測る用途に向いており、文言を読む用途には向いていません。


原因を追うより、入口を変えるほうが早い

選択できない文字に出会うと、私たちは原因を突き止めようとします。アウトラインか、画像か、インスタンスか。調べることに意味はありますが、他人のファイルでは、原因が分かっても直せないことがほとんどです。直せない原因を追いかける時間は、読むことには一歩も近づきません。

3タイプを見分けるのは30秒で足ります。そのうえで、入口をデータから見た目へ移す。⌃Sで囲むという1動作に置き換われば、アウトラインも画像もインスタンスも、同じ手順で読めます。まずは手元のキットで、選択できなかったあの見出しを囲んでみてください。

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