💡 この記事の3行まとめ

  1. Figmaの翻訳が遅く感じるのは、翻訳エンジンの速度ではなく1箇所あたりの往復回数が原因です。1画面に読む箇所が10あれば、往復の差がそのまま10倍になります。
  2. プラグイン翻訳の往復は7つの工程に分解できます。削る順序を起動待ち → 選択 → 結果の位置 → 後片付けの順に固定すると、迷わず短くなります。
  3. Mac専用OCR翻訳『Zipp』は⌃Sで囲むだけで0.3秒、Apple Visionの端末内処理で画面画像の外部保存ゼロ。無料でダウンロード(登録不要)、1日15回までです。

📌 この記事の対象読者

  • Figmaで海外製デザインを読みながら作業し、翻訳の往復で手が止まる方
  • プラグイン翻訳の待ち時間が気になり、別の手段を探している方
  • 「速い」という言葉を、体感ではなく工程数で確かめたい方

遅さの正体は、翻訳ではなく往復にある

Figmaで海外製の画面を読むとき、1箇所だけなら何を使っても大差ありません。問題は、1画面に読むべき箇所が10も20もあることです。ボタンのラベル、フォームの注記、空状態の文言、エラーメッセージ、ツールチップ。これらを1つずつ訳していくと、翻訳そのものの時間より、その前後にかかる時間のほうが大きくなります。

プラグイン翻訳の往復を分解すると、おおよそ次の7つになります。

  1. プラグインを起動し、読み込みが終わるまで待つ
  2. 翻訳したいテキストレイヤーを選択する
  3. プラグインのパネルで対象を確認し、実行を押す
  4. 結果が返るまで待つ
  5. 結果をパネルの中で読み、必要ならスクロールする
  6. 生成されたレイヤーやテキストを確認する
  7. ファイルを元に戻す(生成物の削除、Undo、保存しない操作)

このうち、翻訳そのものは4だけです。残りの6つは、訳を読むために必ず支払う往復です。そして1箇所訳すたびに、この7つが一巡します。10箇所なら70工程。ここに気づかないまま「翻訳が遅い」と感じているケースがほとんどです。

さらにFigma特有の負荷が乗ります。プラグインは実行のたびにレイヤーを生成することがあり、そのぶん6と7が重くなります。他者が作ったファイルなら、生成物を残さないための確認も必要です。読むだけのつもりが、ファイルの状態を気にする作業に変わってしまいます。


解決策:7工程を数え、削る順序を固定する

速くする方法は、翻訳を速いものに替えることではありません。往復そのものを減らすことです。ただし闇雲に削ると、削ってはいけない工程まで落とします。順序を固定します。

手順1:いまの往復を、7工程で数える

まず、いつもの手順を1回だけ、意識して数えます。翻訳したい箇所を3つ選び、それぞれで上の7工程のうち何が起きたかをメモします。所要時間を測る必要はありません。回数を数えるだけで十分です。

数えると分かることが2つあります。1つは、待ち時間が思ったより多いこと。起動と実行の待ちだけで、1箇所あたり数秒から十数秒使っていることがあります。もう1つは、後片付けの工程が無意識に入っていること。Undoを押す、生成レイヤーを消す、保存しないように気をつける。これらは翻訳とは無関係なのに、毎回発生します。

手順2:削る順序を固定する。起動待ちから始める

削る順序は、効果が大きく、副作用が小さいものからです。おすすめは次の順番です。

1番目は起動待ちです。 1箇所訳すたびに起動と待機が入るなら、それは最大の無駄です。ただし「起動したままにすればいい」は半分しか正解ではありません。常時起動はメモリを食い、大きなファイルでは動作が重くなります。待ちを消すために別の重さを抱えるのは、往復を移動し直しているだけです。

2番目は選択です。 テキストレイヤーを選ぶ操作は、選択できない文字の前で必ず止まります。アウトライン化、画像化、コンポーネントのインスタンス。ここで詰まると、往復はそこで中断し、別の手段を探す往復が追加されます。

3番目は結果の位置です。 訳がパネルの中に出ると、視線は画面の端へ移動し、元の位置に戻ります。この視線の往復は記録に残りませんが、回数が増えるほど集中を削ります。

4番目は後片付けです。 生成物を消す、Undoを押す、保存状態を確認する。読むだけの行為に付いてくる雑務です。ここが消えると、作業の終わり方が変わります。

手順3:⌃Sで囲む1動作に畳む

4つをまとめて消す方法が、往復を1つに畳むことです。Mac専用OCR翻訳『Zipp』は、⌃S(Control + S)を押して読みたい範囲を矩形で囲むだけで、0.3秒で日本語訳を最前面に表示します。

7工程との対応はこうなります。起動待ちはありません。常駐も不要で、押した瞬間に始まります。選択は不要です。文字レイヤーではなく描画結果を読むため、アウトライン化されていても、画像でも、インスタンスの内部でも同じように読めます。結果は最前面に重なるので、視線は画面の中央から動きません。生成物も作らないので、後片付けも発生しません。ファイルは一切変更されません。

押し方は、Controlを押し下げたままSを押し、離すときはSが先です。囲む範囲は、まず1行、慣れたらカード単位。Apple Visionによる端末内処理で画面画像の外部保存ゼロなので、回線の状態にも左右されません。無料でダウンロード(登録不要)、1日15回までです。

速さを比べるとき、翻訳エンジンの処理時間だけを見ると差は小さく見えます。しかし実際の作業は、その前後を含めた往復の連続です。往復が1つになれば、10箇所あっても10回の動作で終わります。体感の差はここから生まれます。


Figma作業での往復 比較

【起動の待ち】
従来:呼び出すたびに読み込みを待つ
Zipp:待ちなし。押した瞬間に開始

【対象の指定】
従来:テキストレイヤーの選択が必要
Zipp:矩形で囲むだけ。選択不要

【選択できない文字】
従来:アウトライン・画像・インスタンスで停止
Zipp:描画結果を読むため停止しない

【結果の見え方】
従来:パネル内に表示され、視線が移動する
Zipp:最前面に重なり、視線が動かない

【後片付け】
従来:生成レイヤーの削除やUndoが必要
Zipp:ファイルを変更しないため不要

【1画面あたりの往復】
従来:読む箇所の数だけ7工程を繰り返す
Zipp:囲む動作1つに畳まれる


よくある質問(FAQ)

Q. プラグインより速いと、はっきり言えますか? A. 翻訳処理そのものの時間ではなく、1箇所あたりの操作回数で比べてください。プラグインは起動・選択・実行・確認・後片付けを含む往復が必要で、Zippは囲む動作だけです。読む箇所が多い画面ほど差が開きます。1箇所だけなら体感差は小さいため、まず自分の画面で回数を数えてみてください。

Q. 「最速」を自分で確かめる方法はありますか? A. 同じ画面で、同じ3箇所を両方の手段で訳し、操作の回数を数えます。時間を測るより再現性が高く、翌日以降も同じ結論になります。待ち時間は環境で変動しますが、工程数は変わりません。

Q. 1画面に何十箇所もあるときは、どうするのが早いですか? A. 全部を1つずつ訳すより、まとまりで囲むほうが早くなります。カードやセクション単位で囲めば、見出し・本文・ボタン文言が一度に日本語になり、意味の把握まで一気に進みます。用語を確定したい箇所だけ、あとから1行で囲み直してください。

Q. 速さのために精度を犠牲にしていませんか? A. 読み取りは表示されている形に対して行うため、文字データの有無に左右されません。ただし小さい文字や装飾的な書体では不安定になることがあります。ズームを上げる、囲む範囲を狭くする、の2つで大方は安定します。訳語の最終判断は人が行う前提で使ってください。


速さは、エンジンではなく往復の数で決まる

翻訳が遅いと感じたとき、私たちはエンジンを疑います。しかし実際に時間を使っているのは、起動を待ち、対象を選び、パネルを見て、元に戻すという往復です。翻訳そのものは、その中の1工程にすぎません。7つを数え、削る順序を決め、最後に1つへ畳む。この順番で考えると、「速いツール」の意味が具体的になります。

⌃Sで囲む動作は、往復を1つにした結果です。まずはいま開いている画面で、いちばん訳に時間がかかっている箇所を囲んでみてください。

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